2013年12月04日

突撃★ブリーダー訪問 小國秀人氏 ご自宅飼育池


平成25年10月14日


昨年の錦蘭会秋の品評大会では弐歳魚小之部にて『東大関』
今年の錦蘭会初秋品評大会では当歳大之部『西大関』
同会秋季品評大会では当歳小之部で『西大関』

ここ数年錦蘭会を荒らしている若手がいると聞きつけて、ここぞとばかりにご自宅訪問を決行。
今回は西日本の期待の星、小國秀人氏のご自宅飼育池訪問記です。

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第95錦蘭会秋季品評大会で当歳小之部西大関に入賞した小國氏。
実はらんちゅうを始めてまだ6年目というのだから驚きである。

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錦蘭会西大関(2席)入賞魚、尼崎市議会議長賞を受賞。

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【超新星おぐに氏の飼育池】

錦蘭会大会の翌日、小國氏の池にお邪魔した。
少し標高の高い閑静な住宅街にあるご自宅、そのすぐ脇にFRPの船を並べていた。

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2歳親飼育池が2面、当歳飼育池が6面の計8面で魚を作る。
この少ない面数で毎年錦蘭会を騒がせているのだからなお驚きである。

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小國氏は飼育池の他に、小さな治療専用池を持っている。
大会から持ち帰った魚はまず飼育池でトリートメントし、それでも調子がイマイチ上がらない場合には、その魚を治療専用池(22〜23℃)へ移動して治療をしていく。

大会後は主に駆虫薬やエルバージュ、もしくは塩(0.2〜0.3%)を使ってトリートメントをしていくが、エルバージュと塩の混合使用はほぼしないという。これは小國氏がご自身の経験から学んだことだそうだ。

飼育水には水道水を使用し、朝の時間帯に全換水している。夏も涼しい立地のため、舟の飼育水と水道水との水温差はそれほどなく、夏場でも気楽に水換えできるのだそう。

小國氏はお気に入りの当歳魚を洗面器にあげて1匹1匹見せてくれた。

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孵化後2週間で第一回目の選別を行う。孵化後約1ヶ月後の青仔の時期からは、ハンマーで潰した赤虫と冷凍ミジンコを併用して与えていく。

選別して数を減らした後は少し足りないくらいの量で餌を与え、
魚たちが食べ慣れるのを確認しながら徐々に餌量を増やしていくそうだ。

8月くらいからは粒餌も与えていく。
色揚げの餌も混ぜていくが、使うのは咲ひかりの紫パッケージのものだそうだ。

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夏場の赤虫は食べきれない程の量で与えているそうだが、残餌を取り除くことはほとんどしないと言う。らんちゅうたちが夜のうちに勝手に食べるので、自然にまかせて残餌はそのまま置いておくそうだ。

もちろん生き物なので、調子がイマイチ上がらず餌を残すこともある。
残しすぎていた時は必ず全換水しているそうだ。
その後1日しっかり餌を切り、調子を戻すのだそう。

残餌を放置することもしばしばという小國氏の池だが、なぜ水質を良好に保てるのか?

その秘密は舟にある。

小國氏の舟は1年中コケを生やしたままなのだそう。
そのコケの浄化作用により水の状態を良好に保てているのだと小國氏は言う。
またらんちゅう達はその苔を小さい頃からついばんでいるので、バランスの良い食事により丈夫に育ち、秋には自然な色揚がりの体色に仕上がるのだそう。

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こうして写真を並べて見ていると、小國氏の作る魚の特徴が良くわかる。
玄人好みの、きっちり染め分けられた尾。
頬に肉のつかないスタイリッシュな真四角の頭。
細いと感じさせない長手作りの上手さ。

3匹目の更紗魚は、今年8月の錦蘭会初秋品評大会の当歳大之部にて西大関に入賞した魚。取材時も、とても元気に池の中を泳いでいた。

そして、池を覗いているうちに見つけた一際目立つ大きな魚。
2歳かと聞けば、なんと当歳だという。

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取材をしたのが10月14日、その時点でサイズは体長で16cm以上あった。
来期の種雌にする予定だという。
背幅・筒共に太く頭も上々、そして何よりこのサイズ。実に羨ましい種雌である。
来年もうるさい魚を続々と輩出してくることだろう。

小國氏は、2月の末から徐々に水温を上げて魚を起こす。
週に2〜3℃のペースで15℃まで上げ、15〜16℃の水温で人工授精で採卵する。
雄は、雌より1週間早く起こすようにしているそうだ。

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彼の話を聞いていて、らんちゅうに対して非常に熱心で勉学を怠らない努力家だと感じた。
そして、彼の作る魚を見て、その素直で真っ直ぐならんちゅうへの思いを確信した。

作る魚はそのブリーダーをよく表している、いわば鏡のような存在だ。
あまたのブリーダーの魚を見てきているからこそ感じる、
その魚から見えるブリーダーの心の中。

小國氏は、本当にらんちゅうのことをよく考えている。
よく学び、よく考え、魚に対して接している。

だからこそ、魚たちが小國氏についていく。
小國氏の思うように魚が出来ていく。

生き生きと池の中を泳ぐ魚は、小國氏の気持ちをよく表してくれていた。
数年後のらんちゅう界において、今では想像もつかないくらい名が売れているブリーダーとなっているだろう。取材班一同、今後の躍進を非常に楽しみにしている。


【小國秀人氏 池&プロフィール】

当歳飼育池:6面
弐歳親飼育池:2面

飼育歴は6年、仲間から譲り受けた大会役魚を殺さないよう、らんちゅう関連の書籍を読んだりアクアショップ巡りを繰り返して勉強していくうちにらんちゅうの飼育にハマり込む。

師匠である山本史郎氏(錦蘭会所属)のもとへ通い続けらんちゅうを学び、品評大会で上位を争える実力をつけた今でも師の元を訪れらんちゅうの知識を吸収している。勉学を怠らない努力家。

今後の目標は、メジャー会ローカル会問わずコンスタントに優等に魚を載せること。



posted by 西日本/社団法人日本らんちう協会 at 00:45| Comment(1) | ブリーダー訪問
この記事へのコメント
小國さんのらんちゅうに対する情熱に感動です。
マンション住まいということもありなかなからんちゅうにまでは手が届かずにいます。
中学生の時にらんちゅうを譲り受けたのですが震災で水槽が倒れて亡くなってしまいました。
また、飼いたいという気持ちは今でも抱き続けております。
Posted by 岸本州平 at 2014年01月19日 00:16
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